オーディオルームに興味を持ち始めた、もしくはオーディオルームを使い始めた方のなかには、「吸音材を使う理由はあるの？」「そもそも音を吸音させてもいいの？」など、吸音材に対する疑問があるかと思います。そこで今回は、オーディオルームへの効果的な吸音材の使い方を解説します。

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良いオーディオルームづくりには吸音材が有効

吸音材と聞くと、音を吸い込むので、オーディオルームには向いていないのでは？と疑問に思われる方もいますが、吸音材を効果的に配置することで音質の改善が見込めるので、有効な音質向上対策だといえます。その理由を後述します。

吸音材の役割

文字通り、音を吸い込んで「反響」させない役割があります。実は、良いオーディオルームには音の「反響」がカギとなり、音の反響をコントロールすることで、視聴環境を改善させる役割があります。

吸音材を使うと音が良くなる？

答えは「ハイ」です。

人によってはかなりの効果を感じられます。その理由は、吸音材を配置することで余計な反射音を無くし、スピーカーから出てくる音をシンプルに聴けるようになるからです。しかも、吸音材の素材やタイプによって音への効果も変わってくるので、好みの吸音材を探すのも楽しみの一つになります。

主な吸音材の素材やタイプ

様々な素材やタイプがある吸音材ですが、ここでは主に使われている物を紹介します。

スポンジ

吸音材の代表的な素材といえばスポンジタイプです。効果の特徴として、音による空気の振動がスポンジにあたった際、熱エネルギーに変換することで音を吸収することです。スポンジ自体の素材にも各種ありますが、なかでもウレタンスポンジは、耐久性が高く吸音性も優れています。

 

重量が軽く、その為加工や取り扱いもしやすく、初心者を始め多くの自宅オーディオルームに採用されています。

ウール

グラスウールやロックウールなどの種類があるウール素材は、スポンジに比べて素材の密度が高く、中高音やスポンジが苦手とする低音域の吸音にも対応ができます。素材に厚みがあると、それだけ吸音効果が高くなるといわれています。

その他

他にも、振動版で音を受け止めて振動させ、音のエネルギーを吸い取ることのできる振動版タイプもあります。ヘルツホルム共鳴器と呼ばれる装置もあり、これは開口部がある容器の形をしていて、開口部の面積（小）と容器の内容積の大きさ（大）の差によって、共鳴する音程が変わり、特定の音程を吸音するというのが特徴です。

オーディオルームの効果的な吸音材配置場所

実際にオーディオルームへ吸音材を配置する際に効果的な場所を解説します。

部屋の角

人によっては最初に取り掛かるのが、部屋の角の吸音です。意外と思われるかもしれませんが、部屋の角ではそこに入り込んでしまった音が何度も反射し、いわゆる音の「こもり」が発生しがちだからです。この「こもり」を解消するのが狙いです。

スピーカー背面の壁

次に、初心者が見落としがちなスピーカーの背面です。前面ではなく背面に吸音を施す理由は、スピーカーは背面にも音（低音や重低音）を放射しているため、壁とスピーカーの間で何度も音が往来することを防ぐためです。イメージとして、『やまびこ』を止めることで純粋な音だけを聴くことができるのです。

壁の中央

こちらも初心者が見落としてしまうポイントです。スピーカーを配置している背面の壁中央に配置することで、「定住波（定まった場所に常に在る波の現象）」を防ぐ狙いがあります。一箇所に留まってしまう音（波）を吸収することで、より音質を向上させる効果が見込めますよ。

吸音材の使い方でリスニング環境アップ

吸音材をオーディオルームに効果的に配置することで、音の余分な反響を防ぎ、スピーカーから出ている音をシンプルに楽しむことができます。そうすることで、リスニング環境がグっと上がり、さらに音楽を楽しむことができるでしょう。