オーディオルームで音を楽しむために欠かせない「スピーカー」ですが、現在の配置で本当に合っているでしょうか？スピーカーの仕組みや配置する際のポイントを押さえれば、音質がワンランクアップしますよ。

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スピーカーのタイプは2種類

音楽を楽しむためのオーディオスピーカーは主に箱タイプになっていて、音が出る部分以外はしっかりと密封されている「密閉型」スピーカーと低音を出すために、本体に空洞（バスレフポート）がある「バスレフタイプ」の二つのタイプに大きく分けられます。

 

また、バスレフタイプは更に本体の前面に空洞があるタイプと背面に空洞があるタイプに分けられ、背面に空洞があるものは背後の壁との距離によっては影響を受ける場合があります。

スピーカーは空気を振動させて音を出す

「音」とはそもそも空気の振動（波長）によって伝わります。音の波長の特徴として、長くゆっくりと振動する波長が低音を司り、短くて早い振動が高音になります。低音を鳴らすには空気を沢山振動させる必要があり、この振動対策も大事になってきます。

音によって「指向性」がある

音が伝わる時、「指向性」というものがあります。これは、「どの方向に音が進んでいくのか」というものです。高音は指向性があり、スピーカーから正面に向かって直進します。対して低音は指向性が無いといわれており、全方向に放射状に広がっていくのが特徴です。

 

試しに、スピーカーの裏へ回ると音の指向性がよく分かります。高音はあまり聞こえず、低音は裏側まで音が回ることで、放射状に広がっていくのが実際に分かりますよ。

スピーカーシステムでは低音がカギに

オーディオルームにおけるスピーカーシステムでは、低音をどう鳴らすかがカギです。それは、低音はエネルギーも強く音の土台となるからです。振動が強い分、床や壁への影響があり、セッティングや配置の調整が必要なのです。

スピーカーを配置する時の3つのポイント

実際にスピーカーを設置する際に気を付けたい3つのポイントを解説します。想定として、6～8畳間程度の部屋を目安にしながらスピーカーをセットしてみます。

壁との距離

壁との距離が近いほど低音が壁に反射するので、背後や左右の壁から50cmは離すように設置しましょう。距離が取れなくても、少なくとも30cm以上は空けるように。背面にバスレフポートがあるスピーカーは、背後をふさぐような配置はNG。背後の壁と距離を取ることで、自然でバランスのよいサウンドが得られはずです。

リスナーとの位置関係

左右のスピーカーに対し、正面で聴くのは基本中の基本です。二つのスピーカーと自分の位置関係が、正三角形になるようにしましょう。音の聞こえ方や好みは人それぞれなので、まずは正三角形に配置し、そこから好みの音になるよう、自身やスピーカーの位置を微調整しましょう。

スピーカーの高さ

スピーカースタンドで、耳の高さと同じぐらいになるよう設置しましょう。背が高いトールボーイスピーカーなどでは、リスニングチェアを使うのもアリです。

小型スピーカーの注意点

ブックシェルフスピーカーと呼ばれる小型スピーカーの場合、床からの距離にも気を配りましょう。床に直置きすることで、低音は床に反射やすいので、床から浮かせた配置にして下さい。その際に、スピーカースタンドがあると尚良しです。

 

例えば、机の上にスピーカーを置く場合でも、天板への影響を抑えるための緩衝材、インシュレーターなどを使い、接地面を小さくすることをおすすめします。

スピーカーセッティングは機材もコストもかからない

スピーカーの配置やセッティングが他の機器と違う点は、配置を変えるだけでも効果が表れ、音質向上に対してのコストが掛からないことです。基本の配置を押さえつつ、微調整しながら自分好みのサウンドを手に入れましょう。